あらすじ_14_07


作業プラットフォームCの管制室が高速艇の管制を担当していた。船長から動力システムの異常に伴う出発取り消し連絡を受けて、
管制官は作業プラットフォームCへの受け入れを許可した。高速艇の後ろで待っている旅客船に道を譲り、高速艇は木星周回軌道に戻った。
船長との直接の会話はそこまでで、その後は管制システムにすべてを任せていた。やがて管制室にアラートが鳴り、
管制官は高速艇の船長に呼びかけようとしたのだが、軌道表示上から高速艇の姿が突然に消えた。レーダー衛星を動員して状況確認が始まる。
交通管制と障害物の把握を目的として、木星周回軌道上にはレーダー衛星が多数配備されている。小さなボールほどの物体でも監視され、
衝突の可能性があれば即座に近隣の宇宙船に通知されるのだが、今回はその兆候はなく、突然消えた可能性としては事故が考えられた。
捜索のための宇宙船がプラットフォームCから出発し、24時間以内には現場付近に到着することが可能だった。
しかし、救命ボートはレーダー衛星に捉えられなかった。代わりに、ID番号だけの障害物として何かが高速艇から離れてゆくのが把握された



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