あらすじ_14_09
３日が経過し、１週間が経過しても、理沙の元には何の連絡もなかった。どんな過酷な環境でも壊れないはずの通信機が使い物にならず、
窓の外の風景を観察するしかない。宇宙船の噴射の光の航跡が時々遠くで見えることはあるが、数千キロも離れていると推測され、
当然のことながら目視では救命ボートが見えるわけがない。閃光弾を一発使用し、強烈な輝きが作業プラットッフォームに捉えられることを願った。
１０日が経過し、２週間が経過。理沙は孤独感に捕らわれないように毎日のスケジュールを決めて過ごすことにしていた。
一時的に避難のつもりで救命ボートに入ってきたので、書類カバンしか持ってきていなかったが、資料を眺め仕事の事を考えるだけで気晴らしになる。
３週間が経過し、機器を点検していると、エアコンの清浄能力が低下し二酸化炭素除去が徐々に悪くなっていることがわかった。
予備のフィルターに交換したが、交換可能なフィルターの在庫はなくなった。できるだけ体を動かさないで呼吸を減らすことを考える。
なぜ救助が来ないのかという疑問ばかりが頭の中を駆け巡る。やがて思考がぼやけてきて時間の感覚もなくなってきた。