あらすじ_14_13


再びまわりの状態が実体を伴った形になり、理沙はタイタン基地の部屋の中にいた。周りの風景には見覚えがあった。メンタル女の部屋だった。
現場検証をした時と異なるのは、メンタル女が机に向かっている事。記録ノートに何かを書いているところだった。時々手を止めて何か考えている。
近寄って肩越しに記録ノートの内容を見ようした。気配を感じてメンタル女が振り向く。目を凝らして理沙の事を見つめている。
なにもないことがわかると彼女は再び机に向かう。しばらくの間頭を抱えて、長いため息をついたあと机を離れる。
表情を見ていると、気分がすぐれないように見える。記録ノートを見てみようとその方向に注意を向ける。細かい文字は良く見えないが、
理沙が手に取って見た、メンタル女の不安の気持ちを綴った文章の内容を想像した。不安でどうしようもない状況に置かれ、
その不安な気持ちを増幅させるように中枢システムがさらに彼女の事を追い込んでいる。彼女にとっての最後の日。
彼女の気持ちを押しとどめて、助けなくてはいけないと理沙は思った。理沙がメンタル女のそばに近づこうとしたとき、あたりは再び真っ暗になった。



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