あらすじ_19_01
長官の表情はさえない。理沙は数日前に、今日までの経緯と当初長官から知らされていたミッション内容との乖離について苦言のメールを長官に送ったが、
返事は取り繕ったような一貫性のないもので、さらに自分が対面しなければいけない人物が自身の義理の妹であることについて、
さらには理沙に対して隠していた事については、怒りを通り越してあきれていた。もし事前に知らされたならば揉め事になるだろうと
わざわざ気を遣っていたのかもしれないが、理沙は別に隠す理由などないと思っていた。妹との再会そのものについては理沙は喜んでいた。
とはいえ、仕事上の立場は軍と事業団との関係。3人の指揮官の交代での当直ローテーションが引き渡し翌日から開始されたが、
理沙から直子への引継ぎの場は、非常によそよそしい事務的なもので、担当スタッフもひやひやしながら眺めていた。
新しい船での最初の1週間はあっという間に過ぎ、やがて残された環境整備作業のために船体は作業プラットフォームCに接岸した。
今まで巨大と思っていた作業プラットフォームも、宇宙船の半分強ほどの大きさしかなく、改めて新型宇宙船の巨大さを実感した。