あらすじ_19_05


船の運用引継ぎも順調に進み、艦長と事業団技術アドバイザーを兼務している理沙は、ようやく現場のてこ入れに着手できるようになった。
行政官が事業団本部からの指令に振り回されている実情がわかったので、長官とのリモート会議には必ず出席することにして、
管理職集まっての会議で、長官からのコメントが始まる。長官も大統領からの日々の圧力でやむなく動いているのは理解できるが、
理沙に対する口調、態度とはまったく別人のような態度だった。理沙は腕を組んで目を閉じたままコメントを聴き、終わるとゆっくりと目を開いた。
人によって態度がこれほどまでに変わるのかと理沙は少々空しくなったが、現場の立場に立ち、なんとかしなくてはと思った。
現場の生産が安定し、徐々に人出がかからなくなっているのは事実だが、現場には技術力の裏付けと優秀な人材が常駐すべきだと理沙は考えていて、
行政官の次に口を開いた理沙は、現場の人員を減らすつもりは全くないとの考えを示した。今現場に足りないのは攻めの姿勢で、
資源生産基地であることを達成した今、次を目標を目指すべきだと述べた。木星の開発初期段階の苦難の思い出を理沙は淡々と語る。



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