あらすじ_19_06
まだ木星の生産プラントがフル稼働していなかった頃。原子力ラムジェット機のテストが不調続きで、投資に対して比較にならないほどの成果に、
理沙は責任者として当時のエネルギー省の役人からのプレッシャーに苦しめられた時期があった。当時の長官と今後の見通しについて
何度も議論し、協力会社の技術者とは乗り越えた先の希望について語り合った。理沙が常に心がけていたことはただ一つ。
常に冷静な思考と技術力を信じる事。そして現場にはプレッシャーを絶対にかけない事だった。理沙は技術者たちの前面に立ち、
最後まで諦めずにやり遂げるように励まし続けた。比較して今は核融合燃料生産も安定稼働して、次の課題に直面してるだけであり、
気持ちを改めてリセットして前に進むことを考えるだけでよい。自分は現場と長官の間で責任を取るべき立場なので、
世の中のためになる事であれば何でも提案して、常に攻めの姿勢で進むべきだと会議室のメンバーを励ました。全員の表情が明るくなってきた。
会議が終わり船の自室に戻ると、さっそく長官宛にメールを送った。先ほどの会議でのコメントについての長官への苦言だった。