あらすじ_19_09
行政官が中心になってまとめてもらった案を長官に送り、理沙と行政官は反応を待った。翌日には長官からの返信があり、画面に登場した長官は
あきらかにいらいらしている様子だった。メッセージ冒頭からコスト削減案に対する回答になっていないとの苦言。理沙と行政官は笑いながら眺める。
衛星での水資源の開発については承認が下りそうな手ごたえはあったが、食料の自主生産については必要性とコストの問題で却下された。
すべて想定の範囲内だった。部屋に戻ると長官から理沙に対する私信が入っていたが、内容は想像がついたのでしばらく放置することにした。
長官からの返信を管理職メンバーに連携して、水資源開発にはゴーサインを出した。その後の管理職メンバーの動きは速かった。
長官からの私信をようやく開いた理沙は、これ以上私を困らせないでくれとの長官の長々とした苦言を涼しい表情で眺め、
中央制御室での当直の時間帯には、船の閉鎖系リサイクルシステムの状況と、最大能力について調査をしていた。
政府と事業団上層部は騒々しい状態になっているだろうと理沙は思った。クビにするのならそうすればいいが、その先の事まで彼らは考えているだろうか。