あらすじ_20_15

理沙と直子はハワイアンスタイルのレストランに入り、デッキ席でコーヒーだけ注文した。お互いに育成中の部下の話題がしばらく続く。
しばしの沈黙の後、理沙は自分の残された契約期間のことを話し始めた。直子には初めて語る事だったが、特に驚いたという様子もなく、
残り半年で指揮官候補が育ってくれれば、特に業務上問題はないと言われただけで会話は終わった。拍子抜けするような反応だった。
そんな反応がかえって理沙の気持ちを迷わせた。自室に戻って考えてみると、果たして今のこの状況で仕事から手を引いても大丈夫なのか
自分の気のすむところまでやり遂げるべきではないだろうか、と気持ちが揺れ動いた。3年間の契約については、理沙の気持ち次第で延長も可能、
期間に縛られているようなものではないこともわかっていた。当面は指揮官候補の育成に集中することにして一旦は判断を先送りしたが、
翌日から、直子と大佐の理沙に対する態度の微妙な変化を感じるようになってきた。数日後、直子との当直引継ぎ後の打ち合わせのあと
理沙は行政官から呼び出されて会議室に行った。会議室では行政官以外にも数名、前任の行政官も席についていた。



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