あらすじ_20_21

出発の前日、理沙は寝る直前に久しぶりで孫娘にメールを送った。翌朝に返事はまだ届いていなかったが、コンテナに荷物をまとめると
自室を出て挨拶がてら中央制御室に立ち寄り、そのまま発着ロビーに向かおうとすると、途中で廊下に直子と大佐が待っていた。
昨日までの互いの間の軋轢は一旦忘れ、理沙は2人と固く手を握り、直子とはハグをした。再び発着ロビーへと向かう。
居住区を横目に見ながら、昨日直子と居住区を散策した時のことを思い出す。居住区は人口が1500人を超え、2か月間の間で環境は劇的に向上した。
しばしの見納めにと居住区を1周して、ひとつひとつの家を眺め、住民の生活を想像し、公園では2人並んでベンチに座り不思議と穏やかな気持ちになる。
どこか遠くを眺めているような直子の表情を見ながら、ふと理沙の思いには悪いものが一瞬よぎったが、その予感が当たらないことを願った。
ロビーで出発手続きをさっさと済ませ、作業プラットフォームCの発着ロビーに向かうと、手荷物検査所の前で実施主任が待っていた。
彼も地球に残してきた家族と何年かぶりで再会するので表情は明るかった。ミッションは重大だが2人ともなぜか旅行気分が抜けなかった。



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