あらすじ_23_01
太陽/地球L3で建造されている揚陸艦2隻が進宙式を迎えた。巨大な新型宇宙船を建造した同じドックで建造されていたのだが、
全長は半分の800メートルなので、ドックでは2隻同時に建造され同時に進宙式を迎える事になった。しかし新型宇宙船の時と同じく儀式的なもので
国防長官も地球からリモートで見守っていた。大きさは半分とはいえ、地球で使用される揚陸艦とは比較にならないほどに大きい。
現場でオペレーションの責任者である中佐は、新型宇宙船の建造を監督したこともあり、建造期間中は直子と仕事をともにしていた。
なんとも不思議なめぐりあわせだと彼は思った。揚陸艦の設計データを受け取った時、設計データの内容を確認したところ主幹者は理沙だった。
軍を退役する直前、理沙は揚陸艦の設計データのチェックをしていたが、揚陸艦建造が始まった時理沙は既に事業団に移籍していた。
揚陸艦の向かう先を中佐はまだ知らないが、昨今の太陽系内の勢力争いを見ていると、大統領と国防長官が最近艤装を急がせるのには
理由があるだろうと推測した。2隻の揚陸艦がドックから姿を現し、艤装ドックに向かうのを眺め中佐はふと理沙と直子の事を思った。