あらすじ_23_07
大統領からの声明に対して、理沙はその日のうちに不当な制裁に対しての撤回を要請した。生命線である地球との取引口座の差し押さえは
何の利益にもならず、かえって地球国家の首を絞めるだけだと。理沙の脳裏には常にいつ非常事態になっても生き残り可能な策は持っていた。
知っていながらもあえて自分たちが弱い事を見せて油断させる。2週間後の答えもすでに決まっていて、大統領がどんな反応をするかも予想がついている。
事業団長官がひっきりなしに理沙に再考を求めてきたが、これも大統領から圧力をかけられて行動しているだけだとわかっていた。
常に緊張感は感じていても、地球とのタイムラグが理沙に気持ちの余裕を与えていた。勝てる見込みはまだないが負ける気持ちもなかった。
その後合衆国政府からの反応はなかった。2週間の猶予の間は何もするつもりはないと見て、理沙は現場の指揮に注力した。
先日腹を割って話し合った前行政官は、理沙のひと言でスイッチが切り替わったのか、実施主任と協力して自分の役割を果たしていた。
2週間はあっというまに過ぎ、制裁は実行された。理沙は現場に訓示を述べ、完全受給自足体制を宣言し、さらに気を引き締める事を指示した。