あらすじ_23_10

実質的には軍のプロジェクトとして建造された宇宙船なので、システム権限も軍が管理しており、今回の理沙の反逆とも言える行為に対し、
システム権限の停止で阻止することも可能だった。しかし理沙もいつもと同じように業務をこなせているので気がつかなかった。
指揮官席で座っている直子は意味深な笑みを浮かべて理沙を見つめているだけ。2人はしばらく見つめ合ったままだったが、
理沙は再びシステム権限がなぜ有効なのかについて直子に問い詰めた。すると直子は艦長就任式の事をもう一度思い出してとひとこと言っただけ。
突然、艦長就任式のことが鮮明に理沙の記憶の中で蘇る。リアルに目の前で光景を見ているかのようで、もう一人の理沙と直子が目の前にいる。
直子に手招されて中央制御室の作戦テーブルの前に立ち、作戦テーブル端の小さなタッチパネルに理沙の手が触れるとまわりの風景が激変した。
取り囲むディスプレイが一斉に輝き、まわりのスタッフと座席がすべて光の中に飲み込まれた。取り囲むディスプレイは光の格子模様に変化し、
作戦テーブルを挟んで理沙と直子が立っていた。やがて視点は変化し、理沙は作戦テーブルを挟んで直子を直視していた。



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