あらすじ_23_11

直視している直子の瞳に吸い込まれるような感覚。現実から離れた世界の中で時間は逆行し、港の見える公園で直子と語り合っていた日に戻った。
両親が離婚し、お互いの関係はこれからどうなるだろうかと思った時、これからも変わらずに姉妹でいようと理沙は直子に言った。
さらに時間は遡って理沙の父親が再婚後に直子が生まれる。初めて妹と会った時の心境。理沙はその後母親から冷たく扱われる事があったが、
直子への気持ちは変わらなかった。深い心の繋がりはそのときに形成され、両親が再び離婚し離れ離れになっても理沙がふと思い出すのは直子の事だった。
その後、連絡が途絶えたが、その理由を理沙は初めて知った。不慮の事故で直子は瀕死の状態となり、一命はとりとめたものの身動きとれない状態で
数十年の時を保存液の中で過ごし、まわりの感覚もわからず暗闇の中で苦しみ、ある日突然に研究施設のベッドの上で目覚めた。
一時は時の経過の無情さを知り絶望感を感じたが、理沙が生きていることを知り、再開の時を願って日々心身を鍛える日々が続いた。
そこで理沙は突然に元の世界に戻された。目の前には自分を見つめる直子が。時間にしてほんの数秒の不思議な体験だった。



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