あらすじ_23_12

太陽/地球L3で揚陸艦が完成し正式に軍に引き渡された。既に揚陸艦の周囲にはサプライ品や兵装を積み込むための貨物船が待機しており、
軍に引き渡されると貨物船が揚陸艦の周りを取り囲み、積み込みが始まった。離れたところで待機している司令船の中で現場監督の中佐は
淡々と進む作業を見守りながらも息苦しさを感じていた。兵装の中にはロボット戦闘機や宇宙船の壁を破壊して強襲する上陸艇の他に、
核爆弾も含まれていた。真空での使用は強烈な爆風が発生することはないものの、放射性の荷電粒子、中性子線、超高速で飛ばされる破片には
敵にも味方にも莫大な被害が発生することが予想された。実戦で使うことに対してかなりの覚悟が必要であることが予想されたが、
果たして大統領は作戦にゴーサインを出すのだろうかと中佐は思った。積み込み作業は1週間ほどで完了し、あとは1000人の兵員の到着と
大統領からの指令を待つだけ。国防長官に準備完了の報告を行い、今日からは特に予定のない指令室のタスクリストを眺め、
同じように窓の外を眺めているであろう大統領のことを想像した。戦争前夜とはいえ、地球の喧騒から離れた指令室は恐ろしいほど平和である。



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