あらすじ_23_21

大統領の戦争発言と、騒然となる記者会見会場のニュース映像を見ながら、店の客は皆口数が少なくなり、店員も動きが止まっていた。
いよいよ戦争が始まるのかと思いつつも、戦闘の場所が地球から遥かに離れた場所なので実感がなかった。身近な人がかかわっている事を除いては。
その理沙からのメールは数日前に店員のもとにも届き、公のニュースでは知らされていない真実を店員は知り、店員は初老の社長に知らせた。
これでまた店に戻ってくる日が先延ばしになるね、と店員は彼に言った。理沙が彼に残した約束は果たせないままに終わることになるのか。
ニュースの解説者たちが今後の世の中への影響について語っていたが、2人にとってはそんな事はどうでもいいように思えた。
理沙がどんどん離れた世界に行ってしまって、自分たちとは別次元の世界で対国家の戦いの主役になろうとしている。
日々の生活がその戦いによって徐々に蝕まれて、結末の見えない戦いに疲弊し、自分たちの毎日の生活がある日突然に終わる。
そんな終わりの日に、自分の大切な人と過ごしたいはずなのに、互いに離れた場所にいる。店員は彼にかけてあげられる言葉が見つからなかった。



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