あらすじ_23_22
軍の立場を追放されて、さらに地球国家との開戦はもう時間の問題。直子は大佐とともに既に覚悟を決めていたが、負けることはないという
妙な安心感があった。軍本部がどんな手を使っても3人からシステム権限を剥奪することは不可能で、どんな攻撃にも宇宙船は耐える事ができる。
心配があるとすればただ一つ、理沙は本心として何を考えているのかということだった。まさか最後の最後の場面で裏切ったりはしないか、
お互いの特殊能力を活用すれば国家が束になって襲いかかってきても勝てる自信はある。システム空間を通して互いに協力すれば
敵の行動は手に取るようによくわかる。もし望めば太陽系全体を支配する事も可能である。さっそく直子は理沙の部屋に行き、
デスクで各セクションの状況を見守っている理沙に声をかけた。理沙が直子の方に視線を向けると直子は2人だけの世界に引き入れた。
理沙の部屋は一瞬にして広い宇宙空間に変わった。外から宇宙船の全体像を眺め、さらに空間は広がり2人の足元には木星が見えた。
6つの作業プラットフォームが点になり、4つのガリレオ衛星を見渡すことができる。直子ははるか遠くに見える太陽に注意を向けた。