木星探査船「ディスカバリー」

木星探査船「ディスカバリー」は、木星探査のために作られた有人宇宙船です。
映画「2001年宇宙の旅」にも同じ名前の宇宙船が登場しますが、この物語は別な時間軸の世界で展開しているので、
宇宙船の作られた時期、宇宙船のデザインは「2001年宇宙の旅」のディスカバリー号とは異なります。

とはいえ、深宇宙を目指す宇宙船というものは、似たようなデザインになるものです。
化学燃焼方式の推進システムは、火星より遠いミッションでは非常に効率が悪いので、噴射速度と燃費がよい原子力推進システムが使われ、
推進剤には酸素/水素燃焼推進で発生する水よりも分子量の小さい水素、およびアンモニアが使用されています。

また、乗組員の安全性を目的として、原子炉と居住区画をできるだけ離す事になるため、船体中央部には長いトラス構造があり、
トラス構造の両端に居住区画および原子炉/推進システムが配置されています。

全体のイメージ図
木星探査船「ディスカバリー」の各コンポーネントについて説明します。

詳細は「
木星探査船「ディスカバリー」」もあわせて参照してください。
<指令/居住区画>
●指令区画
  ・コクピット、制御システム
  ・エアロック

●居住区画
  ・乗務員用個室
  ・休憩室、医務室
  ・食堂、会議室
  ・ユニットバス、トイレ

<管理/作業区画>
●管理区画
  ・食料倉庫
  ・通信用設備
  ・通信用アンテナ
  ・水、空気リサイクルシステム
  ・廃棄物再利用/微生物培養/
   食料生産システム
  ・エアロック

●作業区画
  ・作業メンテナンス室
  ・探査機格納庫
  ・屋外シャトル格納庫
   (地球への帰還時に使用する)

<連結構造物>
●連結トラス構造
  ・電源/制御ケーブル用パイプスペース
  ・保守作業用内部連絡通路

<動力制御/貯蔵タンク群>
●動力制御
  ・電力制御システム
  ・原子炉制御進システム
  ・推進装置制御システム

●貯蔵タンク群
  ・酸素/水素/アンモニア貯蔵タンク
  ・水貯蔵タンク

<動力/推進システム区画>
●動力区画
  ・原子炉
  ・ラジエーターパネル
  ・荷電粒子保護用磁気シールド
●推進モジュール
  ・原子力推進システム4基


「ディスカバリー」は、木星に向かったあと木星の強大な運動量で軌道を変更して地球へ帰還する、2年間のフライバイ軌道を航海します。
しかし、地球を出発して加速中に推進システムに不具合が発生、また生命維持装置にも重大な問題が発生し、
ミッション続行/中断の判断を求められました。

ちょうど同じ頃、中国も同様に木星へ向かう宇宙船を出発させており、国家の威信もかけて木星へ向かうべきだという
強硬な発言が政治家の間ではありましたが、結局のところ乗組員の生命優先で帰還することになりました。
正常な推進システムを使用して最大推力で軌道変更を行い、地球軌道の内側をまわって予定よりも8か月早く帰還することになりましたが、
その帰還途中も、度重なる生命維持装置の不具合、食料生産システムの不具合等が発生し、結果としてミッション中断は正しい判断でした。


<宇宙船ディスカバリーの飛行コース>

●2046年10月
  地球を出発、最大加速で木星へと向かう

●1.事故発生
  2046年11月、4基の推進システムのうち2基に不具合が発生、ミッションの中断を判断。残った2基の推進システムで軌道変更

●2.太陽に向けての落下軌道への軌道変更
  2047年1月、時間短縮のために2基の推進システムを使用し、太陽へ向けての落下軌道に入る

●3.軌道変更2回目
  2047年4月、地球軌道のさらに内側に入るために推進システムを使用。ここで推進剤のほぼ全量を使い切る

●4.太陽に最接近
  2047年8月、太陽に最接近。生命維持システムに重大なダメージが発生。居住区画も高温状態になり乗組員の生命が危機的状態になる

●2047年12月
  地球に最接近する直前で、乗組員はシャトルに乗り地球に帰還。ディスカバリーは地球上空を通過し太陽周回軌道に入る


同時期に木星に向かった中国の宇宙船は、予定通りに木星に到着し、木星一番乗りを達成した事になりましたが、
後日、中国の宇宙船内でも重大なシステム上の問題が発生し、乗組員は全員死亡、
自動制御で木星に到着/地球に帰還していたということが発覚しました。

しかし中国は、公式の場でも乗組員の死亡とミッション失敗を認めようとはせずに、帰還した乗組員の記者会見の場が設定されたものの、
安全保障上の理由から記者会見は開かれず、その後、中国の木星探査計画はうやむやにされ公式記録からも抹消される事になりました。




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