地球/月L2作業ステーション
米国を中心とした西側諸国連合に対抗し、宇宙大国を目指していた中国は2030年代には地球/月L2に小規模な作業拠点を建設し、
徐々にではありますが着実に規模を拡大し、設備の充実を行ってきました。
西側諸国連合が地球/月L1に作業プラットフォームを作り、深宇宙探査用の宇宙船建造を進めたのに対して、
中国は地球から見て月の裏側の地球/月L2に作業拠点を作った目的は2つあり、1つは西側諸国連合と衝突したいくない事、
2つは月の裏側であるため地球からは直接観測ができないため、秘密裏に行動できるメリットがあるという事です。
中国の地球/月L2作業ステーションの全体イメージ図を以下に示します。
以下の図は、2050年代半ばでの状態になります。土星探査船「長征」が建造中です。
中央の旅客区画には地球との往復に使用するシャトルがドッキングしています。
また、建造中の「長征」の隣には、中国版のHeavy-Lifterが接近しようとしています。大きさは西側諸国連合のHeavy-Lifterと同じですが、
地球低軌道の作業プラットフォームと地球/月L2作業ステーションとの間を往復する専用のものです。
(推進システムも、燃焼式ではなく比推力可変型プラズマ推進システム(VASMIR)を使用)
全体のイメージ図 |
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中国・地球/月L2作業ステーションの各コンポーネントについて説明します。
詳細は「中国・地球/月L2作業ステーション」もあわせて参照してください。
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<管理/生産/動力区画> ●管理区画 ・中央制御室 ・原子炉制御、電力制御 ・管理者室、会議室、通信室 ●生産区画 ・水、空気リサイクルシステム ・水耕栽培システム ・廃棄物再利用/微生物培養/食料生産システム ・食料保管庫 ●貯蔵タンク群 ・酸素/水素/メタン貯蔵タンク ・ヘリウム3貯蔵タンク ・水貯蔵タンク ●動力区画 ・原子炉 ・ラジエーターパネル ・太陽電池パネル ・姿勢制御用推進システム |
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<居住/旅客/作業区画> ●居住区画 ・休憩室、アスレチックルーム ・作業員用住宅 ・非常用退避カプセル ●旅客区画 ・到着/発着ロビー ・ドッキング用通路 ●作業区画 ・屋内作業室 ・屋外作業室 ・ドッキング用通路 |
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<建造用ドック> ●屋外作業区画 ・屋外作業ヤード ・ロボットアーム ・係留用設備 ●宇宙船建造用ドック ・資材置き場 ・ロボットアーム ・係留用設備 ・ドッキング用通路 |
当作業ステーションは、2060年代になると中国国内の政変により維持管理が難しくなりました。
そのため、一時的に未使用となり設備は荒れ果てた状態になっていましたが、中国の上海を中心とする沿海省が細々と維持管理を続け、
2080年代になると沿海省と西側諸国連合が共同で管理することになり、実運用はSTUが担う事になりました。