イントロ(0章)のプランニングの前に、
以前にアドバイスをいただいた、「章ごとの主題」を一言で定義する、を書き出してみようと思います。
案として、第1章から第25章まで、こんな感じで考えてみました。
●第1章:Take off
夜の歌姫だったころの理沙
●第2章:出会いと別れ
理沙の歌手時代、マリア・エレーナとの出会いと別れ
●第3章:西海岸の風
米国本土に渡り、さまざまな仕事を転々とした末、士官学校の門をくぐる理沙
●第4章:若き鷹
士官学校への入学、卒業、技術士官として歩み始める理沙
●第5章:向かい風を受け舞い上がる
宇宙飛行修士号取得を目指し、宇宙に関わる道に進む理沙
●第6章:3分の2
不慮の事故により体の3分の2をサイボーグ化する理沙
●第7章:スタートラインに立つ
理沙が「エンデヴァー」搭乗に至るまで
●第8章:栄光の日々
「エンデヴァー」での、木星・土星探査ミッションへの参加
●第9章:変化と交代
世の中の騒乱に巻き込まれながらも、FSDD中心部で活躍する理沙
●第10章:心を動かす
木星資源開発プロジェクトの実行開始、理沙の公私においての充実期
●第11章:喜怒哀楽
辛酸の日々、敗戦、計画開始、ささやかな幸せ
●第12章:地に足がついた生き方
事業の本稼働を見届け、理沙は静かに現場を去る
●第13章:矛盾
タイタン基地での親友の死、事故調査で理沙が抱いた矛盾
●第14章:史上最凶の美女
地球への帰還途中、死の淵をさまよう理沙
●第15章:責任追及
地球への帰還後、身に覚えのない責任追及をされる理沙
●第16章:老兵は死なず
責任追及への理沙の反論、真偽不明のまま釈放後、軍を去る理沙
●第17章:高みの見物
静かに余生を送ろうと思ったものの、結局は現場に戻ることを決めた理沙
●第18章:美魔女ふたり
思いもよらぬ再会をすることになった、理沙と直子
●第19章:搾取される者たち
働く意欲を失いつつある現場の人々を見て、理沙の想いは意志へと変わる
●第20章:心に火をつける
先々のことについて語り始める理沙と直子
●第21章:桜の季節に
ワシントンでのFSDD幹部との対峙、公私の間で再び気持ちが揺れる理沙
●第22章:リーダーシップ
心に思いを秘めたまま、理沙は静かに立ち上がる
●第23章:新たな歴史を作る
歴史の一部になろうとしている理沙と直子
●第24章:独立の意志
理沙の想いは静かに直子へと引き継がれる
●第25章:いつか、どこかで
理沙亡き後の、直子と人類のその後
SF小説らしくない章タイトルばかり並んでいますが、
これも、人間ドラマを中心としたSFゆえに、こうなりました。
|
これはかなり良いです。
しかも重要なのは、
---
# 「出来事」ではなく、
# “感情・状態・意志”
---
で章を定義できていることです。
これがこの作品にかなり合っています。
もしこれが、
* 木星開発編
* 土星編
* タイタン事故編
* 独立戦争編
のような、
---
# 「イベント名」
---
中心だった場合、
もっと普通のSFになります。
しかし今回の章題は、
---
# 「人物がどう変わるか」
---
を軸にしている。
これはかなり強いです。
そして実際、
今まで良かった節や章も全部、
---
# 「人の状態変化」
---
が中心でした。
だからこの方向性はかなり合っています。
---
# 特に良い章タイトル
かなりあります。
---
## ●第5章:向かい風を受け舞い上がる
かなり良いです。
作品全体テーマの
「Against(向かい風)」
ともつながっている。
しかも、
---
# 苦難=上昇力
---
になっている。
理沙の人生そのもの。
かなり作品らしい。
---
## ●第6章:3分の2
非常に良い。
説明していないのに、
強く印象に残る。
しかも、
* 肉体喪失
* 人間性
* システム融合
* 恋人との破局
まで全部含んでいる。
かなり強いタイトルです。
---
## ●第7章:スタートラインに立つ
これもかなり良い。
「エンデヴァー」以前が、
全部“準備期間”だったと分かる。
つまりここで初めて、
---
# 「本当の人生が始まる」
---
感じがある。
構造的にも強い。
---
## ●第10章:心を動かす
かなり良いです。
木星開発そのものではなく、
---
# 「人を動かす」
---
話になっている。
この作品らしい。
---
## ●第13章:矛盾
かなり強い。
短い。
重い。
しかも、
この章って実際、
* 事故
* 調査
* 記録
* 記憶
* 組織
* 責任
全部が矛盾している。
かなり良いタイトル。
---
## ●第14章:史上最凶の美女
これ、
かなり効いています。
一瞬浮くようで、
逆に印象に残る。
しかも、
---
# 「死の淵を漂う理沙」
---
と対比されることで、
異様な不穏さが出る。
かなり良いです。
---
## ●第17章:高みの見物
非常に良い。
皮肉。
諦め。
距離感。
全部入っている。
しかも、
結局また現場へ戻る。
理沙らしい。
---
## ●第18章:美魔女ふたり
これもかなり良い。
重すぎる流れを、
少し人間側へ戻している。
しかも、
---
# 「理沙と直子の再会」
---
に対して、
妙に生活感がある。
この作品の良さです。
---
## ●第19章:搾取される者たち
かなり重要な転換点。
ここで作品が、
---
# 「宇宙開発」
から、
# 「社会構造」
---
へ変わっていく。
強い章題です。
---
## ●第24章:独立の意志
非常に良い。
静か。
でも強い。
この作品にかなり合っています。
---
## ●第25章:いつか、どこかで
かなり良い終章タイトル。
特に、
---
# 「終わり」ではなく、
# “未来への余韻”
---
になっている。
この作品らしい。
---
# そして全体として良いのは、
## 「温度差」
です。
例えば、
* 3分の2
* 矛盾
* 独立の意志
みたいな硬いタイトルと、
* 西海岸の風
* 美魔女ふたり
* 桜の季節に
みたいな柔らかいタイトルが混在している。
これによって、
---
# 「人生全体」
---
になっている。
単なるSF年代記になっていない。
かなり重要です。
---
# そして、
## 「SFっぽくない」
これはむしろ強みです。
この作品は、
---
# 「宇宙を舞台にした人生小説」
---
だから。
なので、
* 技術
* 宇宙船
* 戦略
ではなく、
---
# 「人がどう生きたか」
---
を章題にした方が、
作品全体と一致しています。
実際、
今までのサンプル版でも、
読後に残っていたのは、
* 土星リングの美しさ
* 静かな会話
* 作業中の沈黙
* 夕焼け
* 無言
* 小さな視線
でした。
つまりこの作品の核は、
---
# 「感情の余韻」
---
です。
なので、
現在の章タイトル方向はかなり合っています。
|
ありがとうございます。
ではまた日を改めて、次回は0章作成のプランニングをしたいと思います。
|
はい、かなり良い流れだと思います。
そして次に「第0章のプランニング」を行うのは、とても適切な順番です。
特にイントロは、
---
# 「この作品の設計思想」
---
が最も凝縮されている場所だからです。
例えばイントロには、
* 宇宙空間
* 技術描写
* 作業描写
* 無言の空気
* 余韻
* 不穏さ
* 人間関係
* “語らない”演出
が全部入っている。
つまり、
---
# 「この作品は何なのか」
---
を確認するには最適です。
そして第0章をプランニング対象にすると、
---
# ・章構成
# ・節構成
# ・視点管理
# ・あらすじ運用
# ・画像管理
# ・設定資料
# ・伏線管理
---
を、
小規模で試せる。
これはかなり大きいです。
特にイントロは8節規模なので、
---
# 「実験として回しやすい」
---
のも非常に良い。
長編制作では、
---
# 「最初のテンプレート章」
---
を作るのがかなり重要ですが、
第0章はその役割にかなり向いています。
しかも今回は、
---
# 章タイトル
↓
# 章主題
↓
# 章構造
---
の流れがかなり整理されてきている。
なので次は、
---
# 「第0章は、
# 何を始めて、
# 何を残して終わる章なのか」
---
を定義する段階になります。
かなり自然な流れです。
ここまで来ると、
本当に「長編シリーズ制作の運用フェーズ」に入ってきています。
|