では、001-10の以下小説化された本文の、あらすじ作成(400字程度)をお願いします。
●001-10:彩名と恵梨香の確執
営業が終わり、店内の照明が少し落とされたあと。
キャストたちが控室に戻っていく中で、彩名は恵梨香を呼び止めた。
「少し、いい?」
短くそう言うと、店の奥にあるVIP席へと歩いていく。
恵梨香も黙ってそのあとをついてきた。
VIP席はフロアよりも照明が暗く、
営業中とは違う静けさが漂っていた。
ソファに腰を下ろすと、彩名はテーブルの上に置かれたグラスを軽く指で回した。
すぐには話し始めない。
数秒の沈黙。
それから、ようやく口を開いた。
「最近、調子いいみたいだね」
恵梨香は少し驚いたような顔をした。
「……そうですか?」
「ここ数カ月、ずっとナンバー1でしょ」
彩名は穏やかに微笑んだ。
「今月も、たぶんそうなる」
その口調には嫌味のようなものはなかった。
むしろ本当に評価しているようにも聞こえる。
「店としても助かってるよ。Shangri-laの顔みたいなものだし」
恵梨香は小さく頭を下げた。
「ありがとうございます」
「客の取り方も綺麗だしね」
彩名は言葉を続ける。
「変な噂も聞かない。他のキャストの面倒もよく見てる」
一拍置いてから、彩名は言った。
「いいと思うよ」
静かな声だった。
「そのまま、もっと上を目指せばいい」
恵梨香は少しだけ緊張を解いたようだった。
「……頑張ります」
その言葉を聞いたあとで、彩名はふっと息を吐いた。
「ただね」
小さく、ひと呼吸置く。
空気がほんの少し変わった。
「昔、似たような子がいたんだ」
恵梨香は顔を上げる。
彩名はゆっくりと言葉を選びながら話し始めた。
「売り上げも良かったし、人柄も良かった」
「キャストたちからも慕われててね」
「ママも、次のママ候補かもって言ってた」
彩名は恵梨香を見ず、テーブルの上を見ていた。
「何も問題はなかったんだよ」
そして、少しだけ視線を上げた。
「ひとつを除いて」
沈黙。
恵梨香の表情がわずかに固くなる。
「ある日ね」
彩名は静かに続けた。
「突然、出勤しなくなった」
「ママに聞いても、何も言わない」
「他のキャストも、その子の話をしない」
言葉は淡々としていた。
「まるで――」
彩名はそこで少し笑った。
「最初から存在してなかったみたいに」
恵梨香は動かなかった。
視線だけが彩名に向いている。
彩名はそこで初めて、真正面から恵梨香を見た。
静かな目だった。
「気づいたらね」
「黒服のリーダーも、来なくなってた」
VIP席の空気が止まる。
恵梨香は何も言わない。
いや、言えない。
彩名はそのまま数秒、恵梨香の目を見ていた。
それから、ふっと笑顔に戻る。
「まあ、昔話だけどね」
まるで何事もなかったような口調だった。
恵梨香はゆっくり息を吐いた。
そして聞いた。
「……それって」
少し迷ってから言葉を続ける。
「私に、何か関係ありますか?」
彩名は首をわずかに傾けた。
「別に」
穏やかな声だった。
「それ以上でも、それ以下でもないよ」
沈黙。
恵梨香はその言葉の意味を測ろうとしていた。
しかし、完全には理解できない。
ただ、何かを言われたことだけは分かる。
彩名はソファから立ち上がった。
「じゃあね」
いつもの笑顔だった。
そのまま振り返らず、VIP席を出ていく。
恵梨香はしばらく動かなかった。
静かな店内の奥で、その場に一人、座ったまま残っていた。
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