理沙に続いて、まりあが未発表曲「誰のために歌うわけでもなく」を歌う番になる。
1人でマイクの前に立つまりあは少し小さく見えたが、逃げ出しそうな弱さはなかった。
歌は素朴で粗削りだったが、理沙はそこに自分の曲にはない芯を感じ取る。
まりあの声は派手ではなく、消えそうな小さな光を両手で守るようで、理沙はそれを線香花火の最後の光のようだと思う。
特に「生きてるってそれだけで歌になる」という一節に、理沙は自分なら書けないまっすぐさを感じる。
歌い終えた後、柴原はすぐには感想を言わず、まりあに他の未公開曲があるかを尋ねる。
理沙には、柴原が何かを見つけたように思えた。
オーディション後、理沙たちとまりあは駅まで歩き、別れ際に連絡先を交換する。
|