ファーストコンサートまで一か月を切り、東京ドームスタジアムでの準備は着々と進んでいた。
立体プロジェクターの映像は以前より滑らかになり、柴原は本番での効果に手応えを感じる。
一方、小川は2週間前にまりあが倒れたことを忘れられず、彼女の体調を気にし続けていた。
通しリハーサルが始まると、まりあの歌い出しは順調だったが、スタッフの操作ミスで立体映像が表示されず、リハーサルは中断される。
その後も照明や映像、立ち位置の調整で何度も止まり、まりあもスタッフも疲労を深めていく。
全曲の確認が終わった頃には日付が変わっていた。
帰りの車で眠るまりあを見ながら、小川はこのまま本番まで体がもつのか不安を抱く。
マンション前で小川は翌日は休むよう伝えるが、まりあは何かを言いかけ、結局何も言わずに部屋へ戻っていく。
小川は、彼女が何かを飲み込んだことだけを感じ取る。
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