あらすじ_01_14


エアギター男と数か月ぶりで店の外で会った。そして街中を歩きながらなんとなくとりとめもない会話をして、
東京湾の見えるラウンジに入り、夕日を眺めていた。そしてしばらくの間2人は無言。
彼は店で同席することの多い若社長のことをそれとなく切り出した。しかし、理沙は巧みに話をそらした。
その日の夜の店は、親友の指名があれもこれもというような大盛況状態。店が終わって疲れ果てている彼女に対して、
ついに古参のキャストの怒りが爆発し、間に入って制止しようとした理沙もかなりの傷を負う結果となってしまった。
親友と一緒にタクシーに乗って帰宅し、自宅で彼女の傷の手当てをする理沙。まだ酔っている親友の気分は高揚したまま、
そしてそのあとには悔し涙。オーナーから捨てられたという思いが先に立ち、その日以降、強烈でネガティブな気持ちだけが彼女を支えているのか。
昼間のエアギター男からの言葉が思い出される。今の自分も本心を押し殺して生きているだけではないのかと理沙は思った。



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