あらすじ_01_17


親友が1週間の旅から帰国した。彼女が不在の間に店で何があったのか理沙は話したが、それほど気にも留めていない様子。
親友は理沙の話が終わると、海外に出かけていた時のことを話し始めた。開口一番、前の店のオーナーを見つけたこと、
オーナーは裏でつながっていた店のキャストと、店の金を持ち逃げして海外に逃亡していた事を知ってから、知り合いをたどって彼らを見つけるまでの経緯、
そして、見つけた2人から真相をすべて聞きだしたところで、2人を殺害したこと。今の店で親友の客として来ているのは殺害のために彼女が雇ったプロである。
淡々と説明する彼女に、理沙はかけるべき言葉が思いつかなかった。やっとのことで彼女のことを正面から見つめてしっかりと肩を持つ。
いったいどこで気持ちが壊れてしまったのか、しかし、親友は自分だけのロジックで淡々と事を進めているだけ。
自分の夢を実現させたいだけだと。そして夢を一緒に実現させるために信じてきていた人が、実は単に自分を利用していただけだと。
理沙は今は何も言えずただ親友を抱きしめることしかできなかった。握りしめた手も驚くほど冷たい。



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