あらすじ_04_13


一日のうちの12時間はコントロールルームでの生活。週5日、昼夜逆転のシフト勤務もある。幸いな事に住まいは基地から近く、
大自然の中でクルマを走らせていると、短い時間ながらも清々しい気持ちになる。季節は冬に向かっているので夜の時間が長く、
空には時々オーロラがかかっているのも見える。都会で生活していた頃は空をのんびり見ようという気にもならなかったが、
クルマを道端に止めて、凍てつく空気を感じながら空を見上げてみる。星が自分のもとに落ちてくるのではないかと錯覚する。
そして時々流星が流れるのも見える。理沙は30分ほど空を見上げながら立っていた。
東京にいた頃、夜空を目指して高く上昇していくシャトルを見ながら、高いところまで飛んでいきたいなと漠然と思ったこともあった。
理沙は今、空全体を監視して、敵から何時やってくるかわからない脅威を探し出し、何億もの人々を守ることに使命感を感じている。
しかし、仕事を離れると素直な気持ちで空を眺めてみたくなる。落ち着いた生活はいつになったらできるのかと、ふと思う。



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