あらすじ_07_14


木星、土星探査本部での管理メンバーとの打ち合わせは非常に緊張した雰囲気。話題は中国の調査船のことが中心になり、
昔のアポロ計画のように一番乗りを気にするのか、気にしないのかといったことが議論になった。
しかし、「エンデヴァー」船長と会ったとき、乗組員たちにとってそんな議論は全く無関係だということを理沙は知った。
理沙の手元に乗組員の名簿が渡ってきた。12名の搭乗員と8名の予備スタッフたち。官民各企業の勢力図の縮小版を見ているようなものだった。
推進システム担当の女性技術者の名前とプロフィールにふと目が留まった。彼女は航空宇宙メーカーの職員だが、
その名前に理沙は覚えがあった。公式に発表されていないので一部の人間しか知らない事だったが、
念のため確認してみると、彼女はエリシウム基地でのシステム障害事故でフィアンセを失った、当の本人だった。
その後の身の上を理沙は気にしていなかったのだが、まさか乗組員に応募したとは思ってもいなかった。



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