あらすじ_08_15


本部から新たな指示がやってきた。土星に到着後はタイタンへの着陸を最優先とすること。まだ中国は土星に到着していなかったが、
中国政府からはまもなく公式な発表が行われるとのことで、「エンデヴァー」乗組員には本部や政府から過剰なほどの期待がかかっていた。
中国の探査船は10日も先の場所におり、まもなく土星の大気に突入して減速するはずだった。すでに減速ステージの動きは始まっている。
「エンデヴァー」でもタイタンへの着陸準備が始まっていた。着陸にはリフティングボディの小型着陸機が使用される予定である。
理沙は高感度望遠鏡で土星大気に突入する中国の探査船を追跡していた。探査船は土星の影の部分で大気に突入、
長い光の尾を伸ばしながら減速してゆく。自分たちはもう追いつけないことが非常にじれったく思われた。
タイタンに着陸する3人が決められた。着陸船パイロットが操縦を行い、表面の調査のための科学者、そして女性観測員の3人である。
土星の裏側を回って中国の探査船からのデータを再び受信できるようになった。軌道は明らかにタイタンに向かっていた。



あらすじ(8)表紙へ