あらすじ_20_03

繁栄を謳歌していても、終わりはいつかはやって来るもの。20世紀の後半から世の中の成長の限界はいつかやって来るはずだと、
資源の節約、持続性のある生き方、全世界の協調が何度となく提言されたが、結局は自国の利益第一との声にかき消された。
21世紀半ばには、激変した地球環境での自然災害が経済を壊滅状態に追い込み、全世界的な感染症の蔓延がとどめを刺した。
崩壊した中国に勝利して再び世界の支配者となった米国も例外ではなく、2070年代以降はすべてにおいて伸び悩みの時代を迎えた。
それでもすべてが崩壊しなかったのは、技術革新により宇宙開発のスピードが速まり、月、火星、木星の入居者たちが資源インフラを支えたためだった。
理沙は常々、地球の経済を支えた現場労働者たちがもっと恵まれてもいいはずだと思っていたが、政治家たちは全く逆の事をして自らの功績にしていた。
今では政治家たちはさらに追い込まれていた。地球上には開発可能な資源は残りわずかとなり、食料も、水資源も、居住可能な土地も
すべて汚染されていた。終局がいつやって来るのか、政府のタスクチームが作成したレポートのアップデート版を、理沙は手に入れる事ができた。



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