あらすじ_20_12

議会で次年度予算の会議に臨んでいた事業団長官は、廊下ですれ違った国防長官に呼び止められた。一緒に歩きながらしばし雑談したが、
人通りの少ないロビーの隅で2人は並んで座った。国防長官は単刀直入に木星での動向を懸念していると、ここ最近の動向からいくつか懸念している事
特に新型宇宙船の指揮官である理沙に注目していると語った。事業団長官も理沙から日々報告を受けているので内容は特段気にならなかったが、
軍側の2人の指揮官、さらに新任の行政官からのコメントから、理沙が現場に異常に肩入れしているのではと考え、事業団長官に時には忠告が必要だと
釘をさすような事を言ってきた。常日頃から国防総省と事業団は良好な関係ではなく、事業団長官は自分のテリトリーに踏み込む発言をされて
少々苦言を述べたが、動向に目を光らせておいた方がいいと言い残して、国防長官は笑みを浮かべながら立ち去っていった。
事業団長官は2日ほど前に理沙から連絡を受けていた。まだ構想段階だが国の将来のために役に立つかもしれないプランについて
近々説明したいとのことだったが、行政官から国防長官にこの情報が流れたのだろうと思った。理沙は情報が流れることを想定して動いているのだろう。



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