自動増殖システム「Metal-Seed」

「Metal-Seed」システムは、自分自身の分身を自ら作り出すことにより、自己増殖を行うことができるシステムです。
製造に必要な原材料を与えれば、その後は製造工場も不要で増殖が可能な、ある意味ロボットの究極の形態と言えるものです。

自分自身を作り出す事の他に、汎用的な製造作業ができるように設計されているので、
巨大な構造物製造の際には、現地にある材料だけで「Metal-Seed」が現地に製造プラントを作り上げ、目的の構造物を製造することが可能です。
物語の中では、宇宙空間で巨大な宇宙船やスペースコロニー等、巨大構造物を作るために使用されました。

ここでは、「Metal-Seed」の仕組みと増殖プロセスについて説明します。
なお、詳細なスペック情報については、「
自己複製ロボットシステム(Metal-seed)」もあわせて参照してください。


【構成と役割】
「Metal-Seed」は、以下の3つのノードで構成されています。以下の図にてノードの構成と各役割を示します。

●ノードA : 原材料の採取、原材料からノードの材料製造
●ノードB : 材料を部品に加工
●ノードC : 部品からノードA/B/Cの組立て、動作テストの実施

構成と役割

【増殖の遷移】

「Metal-Seed」は3つのノードで構成(セットと呼びます)され、1つのセットが次の1つのセットを製造し増殖する単位を世代と呼びます。
1つのセットの製造が終わると各セットはさらに次のセットの製造に着手します。以下の図にて増殖の遷移について示します。

増殖の遷移

【増殖プロセス】

増殖プロセスは、以下の図にて示す通り15日間のスケジュールで行われます。
3つの各ノードは、ノードA、ノードB、ノードCを順番に製造していきます。

増殖プロセス

【増殖スケジュール】

以下の図は、約100万セットの「Metal-Seed」を製造する増殖スケジュールになります。
15日間の増殖プロセスを20世代繰り返すことで約100万セットを製造します。必要な所要時間は300日になります。

※下の図はサムネイルです。図をクリックすることでオリジナルの大きさの表が別窓で開きます。

増殖スケジュール

【増殖プロセス(期間短縮)】

増殖プロセスの問題点として、増殖時のコピーエラー発生の問題があります。
人間の細胞増殖に例えると、DNAの異常によるコピーミス、細胞のガン化にあたる事故です。
事故発生の際には、リカバリー作業が行われ、作業スケジュールの遅れを取り戻すための調整が行われます。
以下に、リカバリーのための作業調整パターンについて説明します。

●プロセス短縮 : その1
ノードの組立て完了とともに稼働を開始するもの。
下の図ではノードCの組立てが完了した時点ですでに次のノードAの部品は揃っており、すぐに次のノードAの組立て着手が可能となる。
そのためノードCの作業開始が2日間前倒しとなる。

増殖プロセス(期間短縮):その1

●プロセス短縮 : その2
予備日を使用せずに、増殖プロセス全体の日数を短縮(15日→12日)するもの。

増殖プロセス(期間短縮):その2

恒星間宇宙船プロトタイプの建造の際には、「Metal-Seed」増殖プロセスの段階でコピー劣化の異常が発生し、
リカバリーの対応が行われました。
コピー異常の劣化した「Metal-Seed」は、正常なセットの中から選ばれた分解者により原材料レベルにまで分解され、
新たなノードの製造に使用されました。「
自動建造システム」にてその時の状況について述べていますので参照してください。



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