2038年7月、理沙は真夏の渋谷で就職活動を続けていた。
何社も面接を受け、同じような質問と返答を繰り返す中、疲労と暑さでスクランブル交差点の途中で倒れかける。
そこで理沙を支えたのは、高校卒業以来ほとんど会っていなかった旧友・中野彩名だった。
二人は近くの喫茶店に入り、近況や就職活動について話す。
彩名は理沙の話を聞いたあと、そのまま赤坂へ連れていく。夕方、理沙は彩名に導かれてクラブ「Shangri-la」に足を踏み入れる。
開店前の店内で、彩名は突然、理沙を新人キャストとして紹介し、「ありさ」という源氏名まで決めてしまう。
ドレスに着替えた理沙は、昼間の自分とは違う姿に戸惑いながら、客席の輪に加わる。
何も分からないまま夜は過ぎていくが、理沙はその日、まだ何も決まっていないのに、何かが始まってしまったことだけを感じていた。
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