小川美奈から突然届いた連絡に、理沙は久しぶりの再会を約束する。
技術士官学校の本審査結果を待つ間、理沙は次の仕事を決めず、短期の仕事と体力トレーニングを続けながら過ごしていた。
美奈がシアトルへ来る日が近づくにつれ、理沙は自分でも理由の分からない緊張を覚える。
かつて歌手としての才能を見いだし、メジャーデビューの機会まで用意してくれた美奈は、理沙が置いてきた過去を知る人物でもあった。
待ち合わせ場所のショットバー「Heaven」で、理沙は昔Castelで歌っていた曲を耳にし、無意識に口ずさむ。
歌手へ戻りたいわけではない。それでも、歌や仲間たちの記憶は今も消えていなかった。
やがて背後から「久しぶりね」と声がかかる。振り返ると、そこには一年前とほとんど変わらない美奈の姿があった。
|