出発当日、「エンデヴァー」は地球/月L1の作業プラットフォームを離れ、地球の引力を利用して木星へ向かう軌道に入ろうとしていた。
コクピットではレイラとエドガーが操船を担当し、船長とブルーノは会議室で状況を見守る。
他の乗組員は各自の居住区画で待機し、理沙も自室から推進システムの状態を確認していた。
最終確認で各担当から「Go」が返り、船長は静かに出発を告げる。
推進システムは予定通り出力を上げ、やがて100パーセントに到達する。
加速Gがかかる中、理沙の部屋に固定していた小さなフォトプレートが剥がれ落ちる。
港の夜景を背に理沙ともう一人の女性が写った写真を、理沙は一瞬見つめ、そっとしまい込む。
地球は遠ざかり、「エンデヴァー」は木星へ向けた61日間の航行に入る。
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