36時間にわたる加速を終えた「エンデヴァー」は、秒速200キロメートルの定速航行へ移行する。
居住区画の回転も再開され、船内には6分の1重力が戻り、乗組員たちは12時間交代の日常業務へ入っていった。
理沙はアルヴィンと食料生産プラントの点検を終え、昼食のため会議室へ向かう。
正午の音楽が流れ、ブルーノが食事を用意していたその時、船内にアラートが鳴り、管制室から中国の宇宙船が出発したとの通信が入る。
中国国営放送には、地球/月L2の作業プラットフォームを離脱する宇宙船「長征」の姿が映し出されていた。
誰もが予想していた出発だったが、理沙はその軌道が「エンデヴァー」と異なることに違和感を覚える。
やがて中国科学院の責任者が、「長征」の目的地は土星だと淡々と発表する。
|