中国科学院は、「長征」が土星へ向かう理由を、木星探査で先行した中国がさらに次の段階へ進むためだと説明する。
映像には、2070年代に木星で稼働予定とされるヘリウム3精製プラントの想像図や、研究所で組み立て中のプロトタイプが映し出されるが、事実と構想の境界は曖昧だった。
会議室の乗組員たちは沈黙し、デイビッドだけが軽口を漏らす。
その後、FSDD長官から通信が入り、現時点では「エンデヴァー」は木星へ、「長征」は土星へ向かうだけだと説明され、
政治的な騒ぎに惑わされず任務に集中するよう求められる。
夜、理沙は上司への乗組員報告書を作成する。
メリッサの欄には「特に目立った問題はなし」と記されていたが、その直後、向かいの部屋から苦しげなうめき声が漏れる。
理沙は迷いながらも、何も追記せず報告書を送信する。
|