あらすじ_06_01
掴んだ理沙の腕を離した女性観測員。微妙な質感の違和感、その肌の感触は彼女には忘れられなかった。
まさかアンドロイドなの、と理沙に尋ねる女性観測員。理沙はうなずきも首を振ることもせずに自分はサイボーグであることを淡々と話した。
どう対応したらいいのかわからず女性観測員は黙っているだけだった。しかし、理沙は女性観測員の過去に何があったのか知っている。
過去の悲劇的な事故の事がトラウマになっていて、女性観測員は軍人とアンドロイドに非常な嫌悪感を持っている事。
その彼女がようやく精神的に立ち直ったところで、軍人でありサイボーグでもある理沙が運悪く同僚として生活をともにしなくてはならない。
話は7年前に遡り、火星のエリシウム居住基地。最初の居住から15年が経過し、人口は200人をこえ社会基盤もできつつあり、
原子力推進の宇宙船が毎月地球と火星の間を航行している。女性観測員は当時フィアンセと一緒に長期居住者として派遣されていた。
ようやく気持ちの余裕ができて火星での生活を楽しみ始めた2人は、ある日突然、悲劇的な事故に巻き込まれる。