あらすじ_06_07
その後も、理沙とタスクリーダーの間ではプライベートでの進展はなかった。それどころか理沙の仕事は月での作業進捗のことで手いっぱい。
しかし、努力の甲斐あって作業進捗は徐々に改善され、半年後には遅れを取り戻すことができた。
1年半の期間を経て核融合推進システムは完成した。燃料となるヘリウム3についても月の土壌から必要量の採取が完了。
しかし、機能テストの開始の段階で再びシステムトラブルが発生する。遅れをできるだけ出さないことを目的に、
世界各地に分散した設計担当者、メーカーの技術者には月でのオンサイトでの対応が要請され、理沙もリーダーとして月に行くことになった。
予定では3か月間なのだが、その期間でさえも理沙には非常にもどかしく思えた。
月に向かう前日、理沙の壮行会もかねて中核メンバー内での飲み会が行われた。タスクリーダーが理沙に対して激励の言葉を述べる。
しかし、理沙にとってはあまり嬉しいものではなかった。メンタル女からの励ましの言葉も空しく聞こえてしまう。