あらすじ_06_13
まだ自分がシャトルの中にいるのか、それとも救助されたのか、理沙は薄れてゆく意識の中で体を動かそうとするのだが動かない。
声を出そうとしても出ない。息をしている感覚がない。光の感覚がなんとか感じられるのだが目を開けることができないほど瞼が重い。
起きようという気持ちはあるのだが、極度の疲労感と眠気が混じったような状態で、なかなか自分の思うとおりにならない。
時間の感覚がなく、ただ横になっているだけで、呼吸をしていることすら忘れている。
そしてかなり長い時間が経ったと思われる頃に、ようやく理沙は右目だけだが目を開くことができた。部屋は薄暗く、機械の画面が近くに見える。
体はまだ動かすことができない。ベッドに縛り付けられているようにも思えた。しかし、体を引きはがそうと腕を伸ばしたくても伸ばせない。
そしてさらに長い時間が経ったと思われた時に、2人の医師が理沙の顔を覗き込んでいた。そして何かを話しかけている。
何を言っているのかは分かったのだが、どう答えたらいいのか言葉が思い当たらない。