あらすじ_06_15


再び目覚めた理沙。両足の感覚が全くないことはわかっていた。右手も同様で、ただ生きているだけの自分に気力を無くしかけていた。
その日主治医からは手術の説明を受けた。長くて難しい手術になるが、成功の見込みもない。
しかし、もしかしたら元のように生活ができるかもしれず、仕事にも復帰できるかもしれない。あとは理沙の判断だけ。
事故の日からどれだけの時間がたったのか時間の感覚もなく、生きる気力も失いかけて、あとは成功するかわからない手術というのは
あまりにも過酷すぎると思った。シャトル着陸の直前の高揚した気分は何だったのか。しかし、もし可能なのであれば。
理沙の意識が再び遠くなっていく。主治医の表情がぼやけていくが抵抗できない。
集中治療室から手術室に理沙の体が運ばれてゆく。廊下でタスクリーダーとメンタル女、そして理沙を常に見守っている男も立ち会っていた。
体全体がさまざまな機械に取り囲まれた部屋に入る。そして理沙の体は液体に満たされた容器に入れられる。



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