あらすじ_07_07
仕事に復帰してから3か月になるが、単に新しい職場に慣れないだけなのかと思いつつも、理沙は日々の体調不良が気になっていた。
退院時に主治医から、神経と人工臓器との制御インターフェイスの結合はまだ完全でないため、体調不良に耐えなければいけないと告げられていた。
しかし、朝起きた時の倦怠感、頭で思っているように手足が動かないことも時々、力加減の関係で物を壊してしまうこともしばしば。
テキサスにいる主治医と連絡をとり、リモートで診断してもらった結果では、まだ制御インターフェイスが体になじんでおらず、
記録装置のデータを診断した結果では、誤った信号が脳にフィードバックされていることを示すデータが時々見られるとのことだった。
理沙のことを気遣っているメンタル女は、実施責任者とも話し合い、仕事の量を調整することも可能だと理沙に言ったが、
なんとかやり遂げられる量の仕事だと理沙は考えていた。しかし疲れて横になると翌日は頭と全身が切り離されたような感覚になる。
よろけながら今日も理沙は研究所に向かう。事故直後の死にそうになっていた時と比べたらまだマシだと自分自身に言い聞かせながらも。