あらすじ_10_02


遡る事20年前。木星資源開発の推進リーダーとなった理沙は、本部の会議室で上層部に説明をしていた。
予算がついたとはいえ、研究会レベルの小さなタスクを養うのがやっとの状態。本格的な事業化のためのプロセスの説明が必要だった。
どのような方法で木星からヘリウム3を採取し、精製するかということは「エンデヴァー」での実験で確認できている。
しかし、実験レベルでは数キログラムの大気が採取できただけ。事業化には一日あたり数百トンの生産能力が必要で、
理沙は実証プラントの建設を経て、本格生産のプラントを構築してゆくという概要を説明した。
さっそく実証プラントのデザインと、必要となる技術レベルの定義と各協力企業への説明。その前には予算の申請手続き。
説明が終わると本部上層部からの質問の嵐。理沙が「エンデヴァー」計画で成し遂げた数々の実績については認めていたが、
昨年提出した事業化のための予算の概算を見て、一同皆表情を変えていた。議会を通過してからも状況はあまり好転してはいない。



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