あらすじ_10_07


「エンデヴァー」元船長との会話を通して、理沙は根深い抵抗勢力のことを知ることができた。自分が権力がある時はいいのだが、
力を失った時には一気に潰しにかかってくる。相手の先の先を読んで取り掛かるのが一番大事な事だと。
翌週、理沙とタスクリーダーは開発事業団の上層部に対してのプレゼンテーションに臨んでいた。国から予算がついてから数える事4度目。
回数を重ねるたびに、プランは精錬され、理沙はまずは上層部の前で立体ディスプレイ上に大気採取プラントの姿を映し出した。
プラントからは、原子力ラムジェット機が次々に木星上層大気に降下しては戻ることを繰り返し、採取した大気からプラントでヘリウム3が精製される。
プラントから高い軌道上にある作業ステーションにヘリウム3のコンテナが運ばれ、作業ステーションで輸送コンテナ船に連結され、
次々にコンテナ船が消費地に向かってゆく。ここまでは今までと同じじゃないかと上層部の一人が指摘した。
理沙の想定通りだった。ここからが本題である。タスクリーダーは次の映像に切り替えると説明を始めた。



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