あらすじ_10_10
タスクチームとまとめあげた構築マスタープランを理沙は長官に提出した。事業化期間は20年間で、製品の初出荷は10年後の予定である。
まずは作業員の現場での作業拠点となるプラットフォームを3基構築して木星に送り出す。最終的には6基の予定で、木星の拠点港になる予定だった。
木星低軌道のヘリウム3精製プラントは、プロトタイプを3基構築し、大気採集用ラムジェット機は12機体制でのスタートである。
自己増殖ロボットのシステムについては10年後の初回出荷に向けて準備を進めて、初回出荷と並行してプラントとラムジェット機の増産を行う。
月のヘリウム3生産量を超える生産体制は16年後、さらに増産を進めて20年後には単年度でのプラス収益を目指す。
次に行うことは、必要とする技術の定義をまとめ、事業団に参画している企業への説明会である。
説明会のための準備をしているところで、理沙のもとに元「エンデヴァー」船長から再度連絡があった。
上院議員に正式に出馬することになり、選挙事務所を立ち上げたとのことだった。お互いに険しい道のりの始まりだった。