あらすじ_10_19


「エンデヴァー」元船長は議会に招待され、上院議員たちを前にして演説をすることになった。一度上院議員選挙に立候補したものの落選、
いったん議員はあきらめて実業の世界で努力を重ね、今では財界人と協業して民間宇宙旅行会社の株主になっていた。
開口一番、米国の今の繁栄は一過性のものであり、単に中国という強国が弱体化したことによる漁夫の利でしかないことを警告した。
かつてソ連が消え、冷戦が終結した時は、自らの自由主義の勝利と舞い上がり、その後民族主義とテロとの戦いに苦しめられる事になったのと同じく、
今も同じ驕りと油断をしているのではないかと。今は強国としての驕りを持たず、世界の永続的な繁栄のために何ができるのか、
自らの胸に手をあてて、静かに考えることが必要だと。もしそうしなければ私たちは再びより一層厄介な敵との戦いに苦しめられるだろう。
演説を終えたとき、拍手する議員もいれば、やじをとばす議員、反応は様々だったが、元船長は気にしていなかった。
いつか再びこの壇上に上がり、演説する日を夢見ていた。その時には大統領になってやると心に誓った。



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