あらすじ_10_20


職場の同僚と結婚し、子供が産まれても、メンタル女の探求心は終わらなかった。産休後はすぐに研究所に戻り、
自身の考察についての実証実験を行うための具体的なプランを考えては、出資者を求めて様々な人と接触し説明を続けた。
実証実験の条件としては、一般社会から切り離された完全に閉鎖された世界が必要だった。システムが過密といえるほどに結合した世の中、
実証実験によりもし一般社会に影響が及んだら、社会インフラすべてが大混乱となり、取り返しのつかない事になるからだった。
そのような巨大なリスクを冒しても、なぜ実証実験を行う必要があるのか。軍の司令官から質問を求められたとき、メンタル女は、
いま実験をしておかなければ、将来さらに取り返しのつかないことになり、社会インフラが停止してしまう可能性があると語った。
タイタンの前線基地の計画についてメンタル女が軍の司令官から説明を受けたのは、その翌月の事だった。
家族に仕事の内容を説明することもできない、孤独な闘いが始まる。次の世の中のためにというのが彼女のモチベーションだった。



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