あらすじ_11_06
エネルギー省担当者からの追及は理沙がなんとかやり過ごし、淡々と生産プラントBの構築を優先して実施中の地球の現場。
しかしながら、遅れを着々とリカバリーしつつある中でも、昔からいまだに変わらないのは通信タイムラグの問題だった。
木星の現場とは短くて数十分、長いと1時間近くのタイムラグに、理沙は現場とのコミュニケーションにおいて日々非常にもどかしく感じていた。
しかも、木星の作業ステーションで作業監督をしている本部メンバー2名は、日々発生する現場での問題に忙殺されていた。
現場のサブリーダーからの報告では、リーダーは少々メンタルを病んでしまって、向精神薬に頼ることもあるとのこと。
木星の作業ステーションには、次々と技術者が到着しており、常駐者は200人を超えている状態。早く現場に行って彼らを助けたいと理沙は思った。
理沙の木星への出発まであと1年少々。本部メンバーの緻密な調整と、協力会社の努力もあり生産プラントBは予定より2週間早く完成。
原子力ラムジェット機も同時期に完成。生産プラントBには推進モジュールが取り付けられ、木星への出発準備は整った。