あらすじ_11_10
「エンデヴァー」の時以来、行ったことのないL1プラットフォーム。地球を出発して低軌道ステーションまでは普通の旅行気分。
しかし、連絡船でL1プラットフォームに接近するにしたがって、激変したその姿に理沙は気持ちが高揚するのを感じた。
居住区域の拡張はされているものと思っていたが、居住区域に接続する宿泊施設、展望デッキは見たことがない。
宇宙船が6機接岸可能なターミナルには、火星、木星へ向かう宇宙船が接岸しており、推進剤供給用のタンクの数は3倍に増えていた。
中に入ると、発着ロビーは空港の設備と同等のレベル。廊下を歩くと娯楽施設や、大手ホテルチェーンのエントランスがあった。
木星の作業プラットフォームに向かう作業員との合流で2日ほど待たされたが、理沙はその間豪華なホテルの生活を楽しむことができた。
理沙はまだ知る由はなかったが、この豪華なホテルの建設にあたっては、背後では巨大な利権の争いが行われていた。
利権の争いはホテル業界だけにとどまらず、火星、木星の不動産利権にまで拡大する勢いで、国の役人も巻き込まれようとしていた。