あらすじ_11_11


木星へ向かう2か月間、連絡船の中でも理沙は落ち着く時間はなかった。本部と連絡を取りながら地球L3での生産プラントの作業を管理したり、
木星の現場に対して必要な指示をしたり。ただ嬉しいことに、木星との距離は徐々に縮まり、現場メンバーとのコミュニケーションが改善されつつあった。
連絡船は「エンデヴァー」と比較して全長は短いが、ずんぐりした船体の容積は「エンデヴァー」の4倍以上。120人の乗員乗客は、
ストレスもなくゆったりとした個室で落ち着く余裕があった。理沙は毎日1回は、孫娘に連絡船での生活状況を連絡したが、
地球とは徐々にタイムラグが広がって、こちらのコミュニケーションは徐々に希薄になりつつあった。
孫娘も、わざわざテンションの上がるような、理沙の家での毎日の楽しい出来事を伝えてくれているのだが、
理沙は、ある日の寝室から寝ぼけた孫娘の映像の中に、ちょっとした変化を見つけていた。理沙の予想した通りだった。
寝ぼけていても何だか嬉しそうな孫娘の様子と、寝具の乱れた状態。理沙はさっそく孫娘にそれとなく追及をしてみた。



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