あらすじ_11_14
昨夜の燃えるような快感を思い出しながら、孫娘はベッドの上でまどろんでいた。昨夜連れ込んだ男はシャワーを浴びていて今は孫娘ひとりだった。
つい先日、今日と同じくベッドでまどろんだ状態で理沙に連絡したことは、ちょっと不謹慎かなと思ったが、理沙からその後咎められる事はなかった。
ぼんやりとした気分のまま寝室のスクリーンのスイッチを入れて、なんとなくニュース番組をつけてみる。日常の事件のあと木星からのTV中継。
正確には1時間遅れの中継になるが、超望遠で追いかけている原子力ラムジェット機の姿が。背景には木星の不気味な雲の模様。
機内からのモニター映像に替わり、再び機体を追いかける映像。機体全体が炎に包まれ、スケジューラーがチェックリストを読み上げる声が続く。
男が風呂場から戻ってきて孫娘にキスして抱きついた。しかし孫娘は映像をずっと見たまま。そして突然に機体の炎が巨大化して爆発した。
粉々に砕けるというか、機体全体が崩れるようにばらばらと炎の勢いに流されているように見える。孫娘のまどろみは一気に吹き飛んだ。
チェックリストを読み上げる声が中断する。孫娘は指令室の慌てふためいている状況と、理沙が厳しく指示をしている様子を想像した。