あらすじ_11_17
太陽/地球L3にある小惑星。といっても元々その場所に存在しているものではなく、わざわざこの場所に持ってきたものである。
宇宙船が1隻、小惑星から離れたところに係留されていて、船には乗員、技術者合わせて40人ほどが乗っている。
小惑星上には、1つのシリンダー型物体が置かれている。宇宙船内の指令室では技術者が大きなマルチスクリーンを前にして慌ただしく作業中。
マルチスクリーンの両側には、合衆国の国旗と企業のロゴマークがあった。指令室中央の実施責任者は作業員を見渡し各セクションの状況を確認する。
各担当者から続行の返事が返ってくる。実施責任者が静かに作業開始を告げると、マルチスクリーン上の作業リストが緑表示に変化する。
スクリーン中央の、小惑星表面を超望遠でとらえた画像に、明らかな変化が見られる。シリンダー型物体が活動を始めて形が変化した。
スケジューラーが作業リストを読み上げる儀式はここではない。静かに、確実に作業リストの緑表示が流れてゆき、シリンダー型物体が蠢いている。
小惑星上に蒔かれた1粒の種が、発芽し、成長し、巨大な自動化プラントに成長する。世界を変えるかもしれない実験が始まった。